Memorandum Viola

備忘録

2006年12月6日のニュース

駒野、3700万円に渋い顔
中国新聞 2006年12月6日付》

 ■更改交渉 GK下田は4200万円

 Jリーグ1部(J1)広島の主力組の契約更改交渉が5日始まり、日本代表のMF駒野友一ら5選手が臨んだ。1回目のこの日は球団側が提示した年俸をもとに話し合った。後日、合意するかどうかを決める。

 今季は序盤に出遅れて10位。2年連続で総入場者数減と1億円以上の赤字決算が見込まれている。順位に応じてリーグから賞金が出る7位に入った昨季と比べ、「厳しい金額提示」(織田秀和取締役強化部長)となった。

 球団初のワールドカップ(W杯)日本代表に選ばれた駒野は、600万円増の年俸3700万円が提示された。代表での活躍分も含んでの金額に「これから帰って考えます」と、表情はさえなかった。それでも「今(ペトロビッチ監督)のサッカーは面白い。来季はもっと得点に絡み、優勝争いをしたい」と来季も広島で頑張る決意を示した。

 選手会長のGK下田崇は200万円増の4200万円。「特に序盤は地元戦で負け続け、お客さんが入らなかった。順位も悪かったのは事実」と淡々と話した。

 他の選手への提示額は次の通り。(単位は万円、かっこ内は増減額)

 MF服部公太 3800(200増)▽MF森崎浩司 2100(300増)▽MF李漢宰 1500(100増)=金額は推定(佐藤正明)

【写真説明】年俸3700万円の提示に渋い表情の駒野

<ペトロビッチ流サンフレ再生・中>監督への信頼で一体感
中国新聞 2006年12月6日付》

 6月14日、安芸高田市吉田サッカー公園で就任会見を終え、すぐにペトロビッチ監督が指導を始めて半年がたつ。指揮した第13節以降の成績に限れば、18チーム中8位。対話重視の姿勢に信頼を寄せた選手が一体となっての巻き返しだった。

 ▽人と人との関係

 「監督が練習終わりに一言、声を掛けてくれる。全然気持ちが違うんです」。就任当初、多くの選手から聞いた。来日1週間で全選手の名前を覚えたという監督の分け隔てない接し方を、意気に感じた選手は多い。

 オーバートレーニング症候群で離脱していたDF森崎和幸が代表的だ。「『選手と監督』の関係でなくて『人間と人間』として向かい合ってくれる人」と評した。毎日、復帰時期を話し合った。一時は今季中の復帰をあきらめながら、7月22日の千葉戦で復活した。

 ▽目標こなす実感

 成績不振からJ2降格の危機感があった選手たちは、連日、午前、午後のハードな二部練習にも耐えた。これまで以上に運動量が要求される、人もボールも流動的に動くサッカーを目指した。フルコートで3対3で対戦する練習を課された日もあった。「よそ以上に練習しないと上がれない気持ちはあったし、監督の目指すサッカーへの楽しみもあった」とMF森崎浩司。監督への信頼感とチーム力アップの期待が支えだった。

 新監督就任直後の7試合は2勝5敗と苦しんだ。しかし、方向性への不安感が選手に芽生えることはなかった。GK下田崇は「指導にぶれがなかったし、目指すサッカーができている実感があった」と振り返る。11月には、球団史上初の4試合連続無失点試合を達成。上り調子でシーズンを終えた。

 とはいえ、チームはまだ発展途上だ。下田は「安定した力は出せていない。今のままなら来年も真ん中ぐらいの順位と思う」と冷静な見方を示す。悔しさもある。FW佐藤寿人は「今年はタイトルが目標の一年だったはず。いくら勝っても申し訳ない気持ちは消えない」。浮き沈みの激しかった一年を糧に、来季の躍進を誓った。(貞末恭之)

【写真説明】苦しい時期を乗り越え、第31節の京都戦の勝利でJ1残留を確定させた=11月18日・広島ビッグアーチ(撮影・浜岡学)